時代は一回りして、モチベーションが鍵に

高度成長期とは時代が変わりました。
一方、現代日本の弱みはモチベーションです。
(情報が古い方は、日本の強みはモチベーションだと思っておられるでしょう。だからこそ日本の復活が遅れているのです。)
企業内部への忠誠心は高いものの、外部への奉仕の心が下がっているため、外国勢に押されています。
経営者ですら気持ちが企業内部へ向かっている方がおられるようです。
世の中への奉仕の心が下がっているため、ガラパゴスと呼ばれるような、自社中心の製品や事業展開になってしまっています。

モチベーションが問題だと言われて、従業員に厳しく発破をかけるということが想像できますが、これが落とし穴です。
日本の歴史を振り返ってみると、太平洋戦争では、時代が変わったのに、組織や戦略を変えずに末端の兵隊に突撃をさせて、自ら破滅したのですから。
(日本が復活したのはその後の冷戦によるもので、米国(占領者)の心変わりがなければ、チャンスすらなかったのです。)

今日読んだ本 鬼塚喜八郎(アシックス会長 当時) 転んだら起きればいい

飢えた顧客を発見する

新製品の開発は最先端のハイテク製品ばかりではありません。
新聞に載るのはハイテク製品の製品発表が多いので、そう思ってしまう方も多いでしょう。

新製品開発には、
 新製品そのものの開発という技術上の開発と
 飢えている顧客を発見するという市場開発の
2つを経る必要があるのです。

今回紹介するのはキャンプなどアウトドア製品を開発、製造・販売しているスノーピークです。
現社長が同社で最初に開発したのは、
 飢えている顧客を発見したこと
によります。社内の人たちは一張も売れないだろうと冷ややかだったそうです。

それでも実行できたのは、
 社長だったから(社員の反対を抑えることができる)と、
 社長が、顧客の立場に立てるほどの自信のある人だったから、
だったと思います。

同社のその後の快進撃はマスコミで報道されているとおりです。

今日読んだ本 山井太 

 

スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営

スノーピーク「好きなことだけ! 」を仕事にする経営

 

 

 

高い目標を掲げて飛躍するのは、経営者だからこそ

コラムを書こうとするとき、雑誌の紹介の場合は最新の情報としであるため書きやすいのです。
ですが、経営者の書いた本を紹介するときは苦労します。
なぜなら、短くまとめてしまえば「当然のこと」になってしまうからです。

今回紹介する本は美容室の経営者の書いた本です。
簡単に言えば、修行して技術を世界的なレベルに引き上げれば、閑古鳥が鳴いていた店が人気店になるというものです。
当たり前ですね。

でも、雇われ人根性の人にはできなくて経営者(個人事業含む)だからこそできるわけです。

今日読んだ本 久保華図八 経営者には幸せにするべき5人の人がいる
 

みこしを担ぐ側と、乗る側を体験した人

アサヒビールの社長、瀬戸雄三氏の本(私の履歴書)です。

課長時代は本社は伏魔殿だと言いますが、社長になってからは沢山の仕事を自分のこだわりなく進んだ様子が書かれています。

大企業の神輿をかつぐ側の足の踏み合いと、神輿に乗った側の違いが読み取れます。
「月給取りになったらアカン」このタイトルの通り、志によって社長になったものの、それを担ぐ社員が月給取りばかりといういう喜劇というか、皮肉、悲劇?、絶望的な状況にカナエデはため息をついてしまいました。
文章から読み取るに、ご本人は気づいていないようですが。。。(もしも諫言居士がいたらどうなるのだろうかと、カナエデは考えてしまいます。)

瀬戸雄三 アサヒビール社長 

 

月給取りになったらアカン―私の履歴書

月給取りになったらアカン―私の履歴書

 

 

企業の永続には複数の柱が必要なのに、その最初の段階で諦めてしまう方が多い

新製品や新事業育成をする場合、調査、仮設、検証の手順を踏みます。

調査で難航するのは顧客情報です。ほとんどの方は、この最初の段階で心が折れてしまいます。カナエデがお手伝いをしたいと思うようになった理由は、企業の永続には、複数の柱が必要なのに、その最初の段階で諦めてしまう方があまりにも多いからです。

中小企業ではニッチな市場を狙うことになりますが、そのような市場について印刷された調査レポートは見つからないことがほとんどです。

足で稼ぐことになりますが、限られた情報しか得られないことが多くなります。

ここは深くインタビューをすることと、そこから類推をすることで突破することになります。

その成功率は通常、数十分の1です。

だから数十回の実験が必要なのです。実験は製造の実験もあれば、販売の実験もあります。

数十回の実験を行うためには、1回の実験は小規模ですぐに終わるようにしなければなりません。そうでなければ、あたりを引く前に会社の寿命が尽きてしまいます。

とうとううまくいきそうだと感触がつかめたら、今度はそれに集中します。

そうして、会社の製品は生まれ変わり、製品寿命を超えて会社が生き残っていきます。

カナエデはこのマラソンの伴走をしていきます。